妖魅ようみ)” の例文
その郷里のある女が妖魅ようみに取りつかれた時に、寿は何かの法をおこなうと、長さ幾丈の大蛇だいじゃが門前に死んで横たわって、女の病いはすぐに平癒した。
白鷺の白さをあざむく白縮緬しろちりめんの小袖に、公卿くげ紋の雪頂笹ゆきのせざさを紫に染め、帯は蜀江しょっこうか西陣か見分けもつかぬような絢爛けんらん。もの云うごとに玉虫色の唇は、妖魅ようみの如き美しさをたたえる。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一見すれば極めて古怪なる妖魅ようみつどい——
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)