女王クイン)” の例文
芝居の大入りつづきのうちに一座の女王クインが心静かにくびれて死んでしまうということは、誰れにも予想されない思いがけない出来ごとであって、幾年の後
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
鎮子がようやく、鎮魂楽レキエムの原譜を携えて現われた。その譜本は、焦茶色に変色していて、かえって女王クインアンの透し刷が浮いて見え、歌詞はほとんど判らなかった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
学生の倶楽部クラブや青年の会合には必ず女学生が出席して、才色あるものが女王クインの位置を占めていた。
かうした華やかなグループの中に、女王クインのやうに立ち働いてゐる荘田夫人が、自分に——片隅に小さく控へてゐる自分に、少しでも注意を向けて呉れるかと思ふと、妻の手前を繕ろつてまで
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
みんなして骨牌トランプをひく、黄色い女王クインの感じ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
文芸協会の生徒の時分もそうであったし、芸術座の女王クイン、女優界の第一人者となってからもそうであった。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
こうした華やかなグループの中に、女王クインのように立ち働いている荘田しょうだ夫人が、自分に——片隅に小さく控えている自分に、少しでも注意を向けてれるかと思うと、妻の手前を繕ろってまで
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
わかい女王クインの手にもてる
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
けれども気性のしっかりしているのも群を抜いていたという。一度言出したことは先生の前でも貫こうとする。そういった気性が女王クインになった芸術座でもかなり人を困らせたのだ。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
西の女王クインの手にもてる
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)