太陽様てんとさま)” の例文
旧字:太陽樣
地にはいろいろの花が咲き乱れ、梢や空には様々の鳥がいて、眩しいお太陽様てんとさまが白い雲の底からキラキラと輝いていました。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
何事も金銭かねで始末がつけられると思つてゐる富豪かねもちにとつて、暑さは真実苦手であつた。何故といつて、お太陽様てんとさまは女のやうに金銭かね節操みさをを売らなかつたから。
「こいつは工合がいい、お太陽様てんとさまをふところに入れてるようだ。置炬燵おきごたつなら差し向いだが、差しならびの日向ひなたぼッこ。お蝶さん話があるんだから、ちよッとここへ坐ってくんな」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銀色の鐘は春のお太陽様てんとさまの光りを受けて、まぶしく輝きながらユラリユラリと揺れました。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
ようようにお月様が沈んで、まぶしいお太陽様てんとさまが東の方からキラキラとお上りになりました。その時にはもう湖の水はもとの通り水晶のように澄み切っておりました。そうしてやがて……。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)