大賈たいこ)” の例文
五百の里親神田紺屋町の鉄物かなもの問屋日野屋忠兵衛方には、年給百両の通番頭二人があつて、善助、為助と云つた。此日野屋すら相応の大賈たいこであつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それが加賀へ往つたが、所得は「中位」であつた。それから「どつと當るつもり」で大阪へ乘り込んだ。大阪では佐竹家藏屋敷くらやしきの役人等が周旋して大賈たいこの書を請ふものが多かつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)