大谷川だいやがわ)” の例文
霖雨ながあめで、大谷川だいやがわの激流に水が出たということが、新聞で解った時、叔母は蒼くなって心配した。そしてお庄と一緒に良人の安否を八方へ聴き合わした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わたしは日光の大谷川だいやがわのあゆをねらっていた。おそらく大谷川のあゆがうまいということをいつとはなしに聞いていたのだろう。わざわざ日光までなけなしの金をふところにして出かけて行ったのである。
鮎の試食時代 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
行く程に川があって水が見える。大谷川だいやがわです。
「あぶねえ。大谷川だいやがわまるなよ」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大谷川だいやがわの河原も、後の高窓から見られたが、笹村はどこを見ても沈黙の壁に向っているようであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)