大蕪菁おおかぶら)” の例文
大蕪菁おおかぶら馬簾ばれんを揉んで急襲し、左右から本庄越前守、山吉やまよし孫二郎、色部修理、安田治部などがおめきかかる形をとった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
越軍は先鋒柿崎和泉守が大蕪菁おおかぶらの旗を先頭に一隊千五百人が猛進をはじめ、午前七時半頃水沢の西端に陣取っていた武田左馬之介典厩てんきゅう信繁の隊(七百)に向って突撃してきた。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
先ず『諸国咄』の序文に「世間の広き事国々を見めぐりてはなしの種をもとめぬ」とあって、湯泉に棲む魚や、大蕪菁おおかぶら、大竹、二百歳の比丘尼びくに等、色々の珍しいものが挙げてある。
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
奔々ほんぽんひらめく川水は前方に見えるが、柿崎隊の大蕪菁おおかぶら馬簾ばれんや、中軍の中之丸旗、毘沙門旗びしゃもんきのいたずらに啾々しゅうしゅううそぶくばかりで、いつまで経っても馬すすまずへいわたらず
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)