大海鼠おおなまこ)” の例文
中へ何を入れたか、だふりとして、ずしりと重量おもみあぶまして、筵の上に仇光あだびかりの陰気な光沢つやを持った鼠色のその革鞄には、以来、大海鼠おおなまこに手が生えて胸へのっかかる夢を見てうなされた。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)