大気者たいきもの)” の例文
「何と、おびただしい進物の台の数ではないか。あれがみな筑前の手みやげなりと彼は云いおる。中国入りのしるしまでに、携えて来た進物しんもつとは、いやさすがに、大気者たいきもの大気者。あはははは」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「きのう茶席で約束したように、そち以上な大気者たいきものを見せてつかわそう。はいれ」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亡き信長はよく彼を評して、大気者たいきもの大気者といったが、おのずからな大気は辺りへ示しても、みだりな大言は放たない彼であった。けれど、彼を生んだ母は、誰よりも彼を知っている。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、御身も、信長がゆるした程の大気者たいきものじゃが、もっと大気なやからが、幾人もおる。それらの者にも会わせよう。呂宋ルソン暹羅シャム和蘭陀オランダ天竺てんじくなど、南蛮諸州のくわしいはなしも聞きおかれたがよい
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)