大夫だいぶ)” の例文
しかし、君長ひとこのかみの葬礼は宮人みやびとたちの手によって、小山の頂きで行われた。二人の宿禰すくねと九人の大夫だいぶに代った十一の埴輪はにわが、王のひつぎと一緒に埋められた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
この城廓の大膳だいぜん大夫だいぶであり、大炊頭おおいのかみを以て自ら任じているらしいのです。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
やがて、琴と笛と法螺ほらとがゆるやかに王宮のほこだちの方から響いて来た。十人の大夫だいぶ手火たびをかかげて白洲の方へ進んで来た。続いて、はたぼこを持った三人の宿禰すくねが進んで来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼らの中の或者たちは、それぞれ自分の愛する女の手をとって、焚火の光りのとどかぬ森の中へ消えていった。王の反耶はんや大夫だいぶたちの歓心に強いられた酒のために、だんだんと酔いが廻った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)