大和絵やまとえ)” の例文
古代仏画を摸写もしゃしたことのある、大和絵やまとえ出の人の絵には、どうしても出て来ずには居ぬ、極度な感覚風なものがあるのである。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
席は広間に設けられた、かけつらねた燭台しょくだいはまばゆいほど明るく、大和絵やまとえを描いた屏風びょうぶ丹青たんせいも浮くばかり美しかった。
日本婦道記:糸車 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
なだらかな丘と、おだやかな流れと、それらのものを一層やんわりぼやけさせている夕もやと、つまり、いかにも大和絵やまとえにありそうな温雅で平和な眺望なのである。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ともかく、これまで叙景的といえば陰影のない大和絵やまとえ風の色彩感をそそる歌が多かったのに、ここで大気と外光との陰影を伴った自然を歌にしようとしはじめたのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
自分は大和絵やまとえの一派をまなんだのであるが、その派としては、かつてまなんだ師よりも、高く評価されるようになり、幕府の絵師にあげられようとさえした。