“大人寂”の読み方と例文
読み方割合
おとなさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
撫子は去年志賀の里から私の許に引き取られてきた頃から見れば、だいぶ大人寂おとなさびた美しさも具え出して来てはいる。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
古い池に枝垂しだれた桜は、年毎に乏しい花を開いた。その内に姫君も何時いつの間にか、大人寂おとなさびた美しさを具へ出した。が、頼みに思つた父は、年頃酒を過ごした為に、突然故人になつてしまつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すっかり大人寂おとなさびた私にまで、何んとなく無性に悲しいような、それでいて何んともいえずなつかしい、誰かに甘え切りたいような気のされるのは、思えば
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)