大丞だいじょう)” の例文
さきの外務大丞だいじょうたる丸山作楽が、憤りのあまり、昼提灯ひるぢょうちんに白装束で軟弱外交をののしって歩いても、人々は次の日には忘れている。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
今は文部教部両省合併で、不二麿も文部大丞だいじょうの位置にあるから、この省務一切を管理する人に引き受けてもらったことは、半蔵としても心強い。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
招く方は、三井組、小野組、渋沢、三野村みのむらなどの第一国立銀行の創立者で、招待されるお客側は、大蔵きょうその他の参議、大丞だいじょう大輔たゆう権頭ごんのかみ、いわゆる朝野の貴顕紳商きけんしんしょうである。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丸山外務大丞だいじょうらが見えられたが、もはや如何いかんともするあたわず、彼奴らどもは皇帝の名に於いて侵略してまいる、われわれは太政官だじょうかんの方針によって一歩々々と譲歩し退いてまいった、遠淵トウブチより
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)