多艱たかん)” の例文
かえりみて、その短き青春を、一日とて、徒食に送らなかった多艱たかんに謝した。年少の逆境、青春の苦闘、それが今日の自分を作ってくれたとおもう。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
所詮しょせん兵法修行のうちは、会うたとて、お互いの不為ふため多艱たかんち、忍苦を求め、自分を百難の谷そこへ捨ててみねば、その修行に光はついて来ないのだ。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)