多與里たより)” の例文
新字:多与里
「そんな事はどうでも構ひませんよ、藤波龍之進のお孃さんの多與里たよりさんが、泣き込んで來て、お靜姐さんを困らせて居りますよ」
何時もは獵犬のやうに勇む八五郎が、二の足も三の足もむのは、お雪と多與里たより姉妹の平和な生活を驚かすに忍びなかつたのです。
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「へエー、小さい妹——あごあざのあるお雪といふのが十九で。これはよく話しますが、姉の方の多與里たよりは二十三ださうですが、可哀想に物が言へません」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
娘の多與里たよりが入つて來ました、新吉郎は二十七八の、平凡過ぎるほど平凡な男でした、金にも健康にも何んの不足も無いのに、二十七八まで嫁の無いといふことからして
かねての約束があつたので、今更變替もならず、倉賀屋、長崎屋、中田屋の主人に浪人の大寺源十郎が加はり、女二人——お鳥と多與里たより——に小僧三人、それだけの人數で
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「増田屋には先の亭主の遺した、新吉郎といふ今年二十八の伜があり、多與里たよりといふ、今の主人の金兵衞の娘があります。これは十七になつたばかり、可愛らしい娘ですよ」
平次とガラツ八は、眞つ直ぐに長崎屋へ行くと、奧の一と間に妹の多與里たよりを呼びました。
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「良い娘でせう、親分。多與里たよりと言つて十九のやくだ。兄の庄六も良い男だが」
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「痣の熊吉が、あの年増女の多與里たよりとは氣が付かなかつた。驚いたね親分」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)