外舅しうと)” の例文
例へば事實は何も借りてなんかゐやしないのに、ある男と結託し、彼を自分の債權者に仕立てて、外舅しうとの所へ差し向けるといふやうなことだ。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
その外舅しうとおよびジユデーアびとの禍ひの種なりしほかの議員等もまた同じさまにてこの濠の中に苛責せらる 一二一—一二三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
休庵は信階の同出どうしゆつの姉井出氏を娶つたが、井出氏は明和七年七月三日に歿したので、水越氏たみれて継室とした。休庵は後に蘭軒の外舅しうとになるのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
蘭軒の高祖有信が旗本伊沢の家から分れて出た時の事は、蘭軒の姉幾勢きせの話を、蘭軒の外舅しうと飯田休庵が聞いたものとして伝へられてゐる。それはかうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
宗家伊沢の二世信政の外舅しうととなつた主水元苗もとたねは、忠行より第幾世に当るか、わたくしは今これをつまびらかにしない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
小石川のお母様は、黒人くろうとではないが、身分の低いものの娘であつたのを、博士の外舅しうとが器量望で、支度金を遣つてめとつたのださうだ。此の細君の容色はお母様の系統を引いてゐるのである。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)