夕雲せきうん)” の例文
法月弦之丞のりづきげんのじょうとやら、たとえ夕雲せきうんの使い手にしろまさか天魔神てんまじんでもあるまいに、遠巻きにするの山狩のと、いやはや仰山ぎょうさん千万だ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸雁木坂がんぎざかにいるさき夕雲せきうん。当代の名人であり、弦之丞の師であった。上泉流かみいずみりゅうの剣法に虎白こはく和尚の禅機を取り入れ、称して無住心剣夕雲せきうん流といっている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戸ヶ崎夕雲せきうん夕雲流せきうんりゅうなる剣法が、神陰しんかげとひとしく、そもそも白虎びゃっこ和尚の禅機から発足していて、剣気と禅妙の味通、生死同風の悟徹の底から生まれているだけに
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下手へたをやると失敗する。なにせよ法月弦之丞は、夕雲せきうん流の使い手で、江戸の剣客のうちでも鳴らした腕前、さよう……貴公と拙者と二人がかりで、やッとどうかと思われるくらいだ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)