境地さかひ)” の例文
調子揃つた足擦あしずれの音、華やかな、古風な、老も若きも恋の歌を歌つてゐる此境地さかひから、不図目を上げて其静かな月を仰いだ心境ここちは、何人も生涯に幾度いくたびとなく思浮べて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、この歓楽の境地さかひに——否、静子と共に吉野を一人置いて行くことが、矢張快くなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)