かき)” の例文
今年昭和十一年の秋、わたくしは寺島町へ行く道すがら、浅草橋辺で花電車を見ようとする人達が路傍みちばたかきをなしているのに出逢った。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
竇は友人の言葉に従ってそれを造り、両方のかきを堅くした。すると蜂の群が牆の外から来はじめたが、それは絡繹らくえきとして織るようであった。
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
近所の人々もおひ/\往來へ出て、兩側にかきを造つた。村役場の兵事係や村總代も提灯を振り照らしつゝ出て來た。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)