“卒堵婆”の読み方と例文
読み方割合
そとば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしの参詣した時には、おこうさんと大槻文彦さんとの名をした新しい卒堵婆そとばが立ててあった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
墓の前には新しい卒堵婆そとばが立っていた。樒の花筒がすこし傾いているのは昨夜の風の為であるらしく、何者にか掻き散らされた形跡も見えなかった。銀蔵は怪訝けげんな顔をして眼を見はった。
半七捕物帳:24 小女郎狐 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
雨露うろに朽ちて、卒堵婆そとばは絶えてあらざれど、傾きたるまま苔蒸こけむすままに、共有地の墓いまなお残りて、松の蔭の処々に数多く、春夏冬は人もこそわね、盂蘭盆うらぼんにはさすがにもうで来る縁者もあるを
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)