報知しら)” の例文
そうして……と思うむねを半分報知しらせてやれば母親は大悦おおよろこび、文三にはお勢という心宛こころあてが出来たことは知らぬが仏のような慈悲心から
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
秋も末に成って、幸作からは彫刻の出来上ったことを報知しらして来た。そこそこに三吉は旅の仕度したくを始めた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
正成の天王寺の陣営で、河内の国の住人和田孫三郎は、額の汗をふきふき、正成へ情勢を報知しらせていた。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
親実は取次が報知しらせてくると、おろそうとした石を控えてちょうと考えるさまであったが
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)