堰留せきと)” の例文
だが、日本の青年男女は、意識的に或は無意識的にその模倣をやって得意になっているので、国粋復活の声が盛んになっても、異国かぶれの勢いは堰留せきとめられそうに思われない。
軽井沢にて (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
どうして?ッて、見たまえ、いつもは、手拭てぬぐいを当てても堰留せきとめられそうな、田の切目きれめが、薬研形やげんなりに崩込んで、二ツ三ツぐるぐると濁水にごりみずの渦を巻く。ここでは稲が藻屑もくずになって、どうどう流れる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)