“執著（しゅうちゃく）” の例文
通常の用語を用いてすこぶる不正確にすこぶる困難に説明することに人々が執著（しゅうちゃく）しているのは、なぜであろうか。
純粋経済学要論：01 上巻 (新字新仮名) ／ マリー・エスプリ・レオン・ワルラス(著)
乗杉がいったように万巻は甚（はなは）だ誇張であるが、執著（しゅうちゃく）の書灰が蝶と化して、その幻想をいよいよ掻きたてて、ちらちらと舞を舞っているのが見えるようである。
夢は呼び交す：――黙子覚書―― (新字新仮名) ／ 蒲原有明(著)
彼は住居に対する執著（しゅうちゃく）の亡霊がまだ顔をさらしてゐるやうで軽蔑（けいべつ）したくなつた。しかし、いくら運命が転居させたがつても、もうさうはおれの寿命は続かなからう。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) ／ 岡本かの子(著)