坊様ぼんさま)” の例文
旧字:坊樣
この坊様ぼんさまは、人さえ見ると、向脛むこうずねなりかかとなり、肩なり背なり、くすぼった鼻紙を当てて、その上から線香を押当てながら
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唐、天竺は愚か、羅馬ろおま以譜利亜いげりやにも見られぬ図ぢや。桜に善う似たうるはしい花のの間に、はれ白象が並んでおぢやるわ。若い女子等が青い瓶から甘露かんろんでおぢやるわ。赤い坊様ぼんさまぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「ヤレ坊様ぼんさま……あぶない……」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
婆 ほんにお坊様ぼんさま
胚胎 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
坊様ぼんさま、眉も綿頭巾わたずきんも、一緒くたに天を仰いで、長い顔で、きょとんとした。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)