土音どおん)” の例文
私は五十年も東京にいながら、まだ中国の土音どおんが抜けきらぬほど耳が悪く、また口真似くちまねが拙であるが、中西氏はその正反対で、従ってまた鳥の名を教える名人でもあった。
被告は極めて聞取りにく土音どおんで裁判長の耳を困らした。事件の審理を出来得る限り簡明にしたいと云ふ念よりしかない裁判長には、此不明瞭な答弁が頗るもどかしいのであつた。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)