回廊かいろう)” の例文
やがて寺の本堂ほんどうへついた。大きな屋根はち、広い回廊かいろうかたむきかけ、太い柱はゆがみ、見るから怪物の住みそうなありさまに、勘太郎も始めはうす気味悪くなった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
そこに大きな池があって土橋をかけわたしみぎわには白いしょうぶも見える。それよりずっと奥に回廊かいろう紆曲うきょくして障子の色まっ白に、そこらからピアノの音が栄華をほこるかのごとく流れてくる。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)