唯物ゆいぶつ)” の例文
そうしてエンゲルスはその著『反デューリング』中「これ〔唯物ゆいぶつ史観および余剰よじょう価値の二発見〕で社会主義は一つの科学になったのである」
かくいったからとて人間の心の中に唯物ゆいぶつ拝金はいきん卑屈ひくつなる根性こんじょうがあって、体の制裁によって心が左右さるるものだと断言することは出来ぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ひとり草雲のみではないが、この時代の画人や詩家が、どんなに「紙」を尊んだか、惜しんだかを、私たちは、今の唯物ゆいぶつ的な、科学万能の社会の中から、考えてみるのも、想像のほかだ。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うじむしみたいにふえるし、町人は、唯物ゆいぶつ生活に行き詰って、刹那せつな主義に傾くし、役人の頭はぼけていて、為すことを知らない間に、足もとをつけ込んで、押込み、かたり、辻盗り、殺人、社会悪は
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰も言う通り米国は拝金国はいきんこくで、美術も文学も理想もないように言うが、ある程度まではその通りで、米国人みずからもとかく新開の国だけあって唯物ゆいぶつ主義におちいりはせぬかとみずからおそれている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)