唐花からはな)” の例文
また、奈良朝以前から見られる唐草からくさ模様は蕨手わらびでに巻曲した線を有するため、天平てんぴょう時代の唐花からはな模様も大体曲線から成立しているため、「いき」とは甚だ縁遠いものである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
唐花からはなの絵天井から、壁、柱へ、あやにしきと、薄暗く輝くなかに、他国ではちょっと知りますまい。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御時服というは大きな紋の付いた綸子りんずの綿入で、大名等へ賜わるは三葵の紋、倍臣には唐花からはなという紋のついたものであった。私も父がそれを持って藩地へ帰って来た時には頗る嬉しかった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)