唇鳴くちな)” の例文
つばでもするような舌打ちして、後も見ずに、枯れ木の間を縫い去ってゆく。智深は彼の「……べっ」とつばを吐いた唇鳴くちならしが気にくわなかった。一跳足ちょうそくに追いすがって、錫杖しゃくじょうを横構えに。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)