呶声どせい)” の例文
呶声どせい背後うしろに聞いたと思った。通行人を二人程投げ飛ばしたようだった。そして縄梯子ジャコップに足を掛けようとしている外国船員のところへ一散に彼は駈付けた。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
すさまじいようなけんまくと呶声どせいにみんなびっくりして息をのんだ。
おれの女房 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
父の呶声どせいが聴かれるなど、思ひ合はせてみると蘆屋の方が本宅で香櫨園のわが家は妾宅だと、はつきり嗅ぎつけた途端、まづ生理的に不愉快になり、前途が真つ暗になつたやうな気持に悩まされたが
六白金星 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
僕は老人の呶声どせいをすぐ耳の傍に聞いた。
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
玄心斎は、とうとう呶声どせいをあげて
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)