周匝しゅうそう)” の例文
理智的にその結論が如何いか周匝しゅうそうで正確であろうとも、それが果して本能なる愛の本体を把握し得た結論ということが出来るだろうか。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
これに三十歳前後の壮年の殉国者、しかも死に向ってはしるものの懐い及ぶ所ならんや。彼の婦人に関する用意の周匝しゅうそう懇篤なる、今日のいわゆる女子教育家をして、忸怩じくじたらしむるものなくんばあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)