呑気屋のんきや)” の例文
「そうかね、御母さんには何だか分らないけれども——それにあなた、あの宗近と云うのが大の呑気屋のんきやで、あれこそ本当の鉄砲玉で、随分の困りものでしてね」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
でも、華冑かちゅうの子弟によくある型の、交際上手な、話の面白い、趣味の広い人で、自ら芸術家を以て任じている天成の呑気屋のんきやさんであるから、当人は一向そんなことを苦に病んでいない。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それとも長蔵さんはたびたびこんな呑気屋のんきや銅山やまへ連れて行くんで、自然その往き還りにはこの主人の厄介やっかいになりつけてるから、別段気にも留めないのかも知れない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
目がめて、夜が明けてるのに、汁のけむも、漬物のにおいも、いっこう連想に乗って来ないからは、行きなり放題に、今日は今日の命を取り留めて、その日その日の魂の供養くようをする呑気屋のんきや
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「じゃ全くの呑気屋のんきやなんだね」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)