告白うちあ)” の例文
忘れずに居る程のなさけがあらば、せめて社会よのなか罪人つみびとと思へ、う言つて、お志保の前に手を突いて、男らしく素性を告白うちあけて行つたことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
祖師を捨てた仏弟子は、堕落と言はれて済む。親を捨てた穢多の子は、堕落でなくて、零落である。『決してそれとは告白うちあけるな』とは堅く父も言ひ聞かせた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あゝ、あゝ、其を告白うちあけて了つたなら、奈何どんなに是胸の重荷が軽くなるであらう。奈何に先輩は驚いて、自分の手を執つて、『君も左様さうか』と喜んで呉れるであらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)