告別いとまごい)” の例文
翌日の晩方自分は父ともろともに、叔父と娘とを舟へ乗り込むまで見送ッたが,別れのきわに娘は自分に細々こまごま告別いとまごいをして再会を約した。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
戦争に行くに告別いとまごいの手紙の一通もやらぬ不埒ふらちなやつと母は幾たびか怒りしが、世間の様子を聞けば、田舎いなかよりその子の遠征を見送らんとで来る老婆
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
されどまた七日の後には再び来たりておもむろに告別いとまごいせんと青年は嘆息ためいきつきて深く物を思えるさまなり、翁ははたとち、しからばいよいよ遠く西に行きたもうこととなりしか。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)