呉音ごおん)” の例文
なお仏教語として品を呉音ごおんで読んで極楽浄土の階級性を表わす場合もあるが、広義における人事関係と見て差支ない。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
食をシーまたはスイーと読むのは呉音ごおんというもので、仏教を学んだ人はみな呉音をつかっていた。たぶんは大きな寺などに行って働いた人々が、おぼえてきてはやらせたものであろう。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
近畿きんきとその周囲の諸県でケンズイという語は、『閑田耕筆かんでんこうひつ』にもすでに注意しているごとく、「間食」の呉音ごおんであって寺家から出た言葉らしいが、是を東国の小昼飯の意味に農村では用いており
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)