吾君わがきみ)” の例文
某日あるひ豊雄が店にいると、都の人の忍びのもうでと見えて、いとよろしき女が少女を伴れて薫物たきものを買いに来た。少女は豊雄を見て、「吾君わがきみのここにいますは」と云った。それは真女児の一行であった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)