名字めいじ)” の例文
わたくしは此に少しく蘭軒の名字めいじに就いて插記することとする。それは引く所の詩集にかん僻字へきじが題してあるために、わたくしは既に剞劂氏きけつしを煩し、又読者を驚したからである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
伏して念う、某、殺青さつせいを骨となし、染素せんそたいと成し墳壟ふんろうに埋蔵せらる、たれようを作って用うる。面目機発、人に比するにたいを具えてなり。既に名字めいじの称ありて、精霊しょうりょうの異にとぼしかるべけんや。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)