司馬懿しばい)” の例文
わが観るところでは、魏で人物らしい者は、司馬懿しばい一人といってもよい。孔明のひそかに怖るる者も実にその司馬懿仲達一箇にあった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「たいへんです。司馬懿しばいみずから、およそ十五万の大軍をひきい、真直ぐにこれへせてくる様子です」と、声を大にして伝えた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、司馬懿しばいは自らほうを請うて西涼州へ着任しました。明らかに、彼の心には、魏の中央から身を避けたいものがあるのでしょう。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この会議でも、関羽の名を恐れおびえた人々は、早くも魏王宮の遷都説まで叫んだが、司馬懿しばい仲達ちゅうたつが立って、その不可を論じ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
司馬懿しばい仲達軍のこのときの行軍は、二日行程の道のりを一日に進んで行ったというから、何にしても非常に迅速じんそくなものだったにちがいない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかし、ちんには、司馬懿しばいそむかれるような覚えがない。そも、彼は何を怨んで魏に弓を引く心になったと卿らは考えるのか」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて出色な人事と評されたのは、主簿しゅぼ司馬朗しばろうの弟で、河内温かだいうんの人、司馬懿しばい、字を仲達ちゅうたつというものが、文学掾ぶんがくのえんとして、登用されたことだった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸人が、何人なんぴとかと見れば、司馬懿しばいあざなは仲達、近ごろ曹操の側臣中、彼ありと、ようやく認められてきた英才である。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
司馬懿しばい仲達ちゅうたつは、中軍の主簿しゅぼを勤め、この漢中攻略のときも、曹操のそばにあって、従軍していた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)