口頭こうとう)” の例文
口頭こうとうをもって、わたしの母は力のおよぶ限りいつ何時なんどきでも奥様おくさまのお役に立ちたいと存じているむねを述べ、十二時過ぎに御光来ごこうらいをお待ちすると伝えるように言いつけた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
「西涼の大将たるものは、いえば必ず行い、行えば必ず徹底して実を示す。聞き及ぶ、曹操は、口頭こうとうゆうで、逃げ上手だというが、汝そこを動かず、必ず馬超と一戦するの勇気があるか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
〔譯〕聖賢を講説かうせつして之をにする能はず、之を口頭こうとう聖賢と謂ふ、吾れ之を聞いて一たび惕然てきぜんたり。道學を論辯ろんべんして之をたいする能はず、之を紙上道學と謂ふ、吾れ之を聞いて再び惕然てきぜんたり。