口措くちお)” の例文
口措くちおかずにぶツくさ言いながら堤を下りて赤松の林を通抜け、舗石道について丸い石門の中へ入って行く。
二人は抱合いながら口措くちおかずに喋言り合った。陶はどんなに俺を愛していたか、俺に嫌われていると思って、どれほど淋しい日を送っていたか、その淋しい日が、どれほど苦しかったか。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)