“くちお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
口惜97.1%
口措2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを思いますと、あらためてまた桃花坊のあの口惜くちおしい日のことも思いいでられ、この胸はただもう張りさけるばかりでございます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
それであッてこのありさま,やいばくしにつんざかれ、矢玉の雨に砕かれて異域の鬼となッてしまッた口惜くちおしさはどれほどだろうか。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
口措くちおかずにぶツくさ言いながら堤を下りて赤松の林を通抜け、舗石道について丸い石門の中へ入って行く。
二人は抱合いながら口措くちおかずに喋言り合った。陶はどんなに俺を愛していたか、俺に嫌われていると思って、どれほど淋しい日を送っていたか、その淋しい日が、どれほど苦しかったか。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)