口巧者くちこうしゃ)” の例文
いやしくも人間たるものが金儲かねもうけの意味さえ知らないで、こむずかしい口巧者くちこうしゃな事を云うから、気の毒だと云うのでどてらは笑ったのである。自分は今が今まで死ぬ気でいた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その無自覚さと口巧者くちこうしゃさは、鳥の無自覚と口巧者そっくりである——。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)