口善悪くちさが)” の例文
旧字:口善惡
まさしくその男は一のなぞであった。口善悪くちさがない人々はかろうじて、こんな苦しいことを言い出した、「つまり彼は一種の山師だ。」
花嫁は評判の堅い娘で、八百峰の総領とは許嫁いいなずけ同士、色恋の道行でないことは、口善悪くちさがない近所のおかみさん達までが牡丹餅判ぼたもちばんします。
兎角京童きやうわらべ口善悪くちさがなき、飛んだ迷惑をするものも出来いできたれる次第なるが、これも一つは「人生」といふ字の意義の誤解され易きに因せし者なれば、無暗に敵になり味方になる事なく
人生の意義 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
長三郎は若い下女の口善悪くちさがないのを憎みながらいい加減にあしらって家へはいった。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで口善悪くちさがなき京童きょうわらわは、「周防殿すら持て余したこの訴訟、佐渡殿などには歯も立つまい」と口々にいいはやしたが、さて佐渡守が職に就いて、その裁決を下したのを見れば、調査は明細
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
花嫁は評判の堅い娘で、八百峰の総領とは許嫁いいなずけ同士、色恋の道行でないことは、口善悪くちさがない近所のおかみさん達までが牡丹餅判ぼたもちばんします。
初めのうちは、彼が仕事をやり出すのを見て口善悪くちさがない人々は言った。
賢いのか、寛大なのか、家祿が惜しいのか、それとも真弓の思惑をはばかるのか、良平のこの態度ばかりは、口善悪くちさがない供の者にも、全く推し測りようは無かったのです。
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)