受答うけこたへ)” の例文
何事でも順序を立てて考へることは不得手であるのを、博士が論理で責めるから、半分夢中で受答うけこたへをしてゐる中に、いつでも十六六指むさしのやうに詰められてしまふ。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
信一郎はさう考へながら、夫人のそれに対する溌剌たる受答うけこたへや表情を絶えず頭の中に描き出しながら何時の間にか五番町の宏壮な夫人の邸宅の前に立つてゐる自分を見出した。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)