“又蔵（またぞう）” の例文
お此が嚇されて帰ったあとへ、木戸番の又蔵（またぞう）が鮓屋の出前持ちと一緒に楽屋へはいって来て、お絹さんへといってその鮓の皿を置いて行った。
両国の秋 (新字新仮名) ／ 岡本綺堂(著)
「ゆうべ瀬田（せた）から伊那丸をむかえてきた、木村又蔵（またぞう）、可児才蔵（かにさいぞう）、井上大九郎なんていうやつの軍兵（ぐんぴょう）で」
神州天馬侠 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
と、木村又蔵（またぞう）が合図（あいず）をすると、おッといって馬廻（うままわ）りの武士、月毛（つきげ）、黒鹿毛（くろかげ）の馬三頭のくつわをならべ、馬具（ばぐ）の金属音（きんぞくおん）をりんりんとひびかせて、三人の前へひいてきた。と——伊那丸（いなまる）が
神州天馬侠 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
「おなじく、木村又蔵（またぞう）でござる」
神州天馬侠 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)