南勾配みなみこうばい)” の例文
こんな奥深い峡谷きょうこくは、町から思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配みなみこうばいって山歩きをしていると草萌頃くさもえごろのむしむしとする地息に、毛の根がかゆくなる程な汗を覚える。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)