“千種川”の読み方と例文
読み方割合
ちぐさがわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それッと、たちまち城兵は、引きあげと見た新田勢へ追い打ちをかけて来る。——ために千種川ちぐさがわの渓谷は、死屍に埋まり、血に染まった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の前の事件と云うのは、一閑斎が病気になる二た月ばかりまえ、天文二十一年の十二月千種川ちぐさがわの合戦の際で、その時も弾丸は一閑斎の顔の前面を、横に一線を描いて走った。
千種川ちぐさがわ上流のけわしい渓谷をはさんで、苔縄こけなわとりでと白旗城のふたつが、いわゆる牙城がじょうのかたちをしており、攻めるほど、味方は死傷をかさねるばかりだったのだ。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)