勾欄おばしま)” の例文
項羽は無聊に堪へ兼ねて高殿の勾欄おばしまから、無辺に霞む遠近おちこちの景色を眺めて居た。あたゝかい小春日の日光に、窓下の梧桐きりの葉末までが麗はしく輝いて見えた。
悲しき項羽 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)