勝子かつこ)” の例文
風の寒い黄昏たそがれだった。勝子かつこは有楽町駅の高い石段を降りると、三十近い職業婦人の落着いた足どりで、自動車の込合った中を通り抜けて、銀座の方へ急いだ。
凍るアラベスク (新字新仮名) / 妹尾アキ夫(著)
西口ミサ子の娘は、勝子かつこといった。そのほか三人の女の子のなかに、赤い新らしい洋服をきた川本千里かわもとちさとという子どもがいた。がまんできず、休み時間のとき、それとなくきいてみた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)