加納屋かなふや)” の例文
それは素姓が知れてをります、小傳馬町の加納屋かなふやに泊つて、上方かみがたと江戸の間を引つきりなしに歩いて居る。
つけ晝夜ちうやとなく駈廻かけまははたらく程に夫婦は又なき者といつくしみける扨も此餠屋このもちやと云は國主こくしゆ細川家の御買物方の御用達ようたしにて御城下にかくれもなき加納屋かなふや利兵衞とて巨萬きよまんの身代なる大家に數年來實體じつていに奉公を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「大變なんです。兄さん、——龜澤町の加納屋かなふやに、昨夜殺しがあつて、家の者が二、三人行つて居りますが、とても手に了へさうもありませんし、お願ひですから、どうぞ」