利者ききもの)” の例文
さすが商業界の利者ききものとも云はるる身が、みんごとお艶に降伏したるは、遼東還附の一条よりもなほかついひ甲斐なき事なりしとのこのくだりは年久しく仕ふる藤助といふ老僕が
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
かかる柔弱かよわい尊い婦人は誰であるかといいますと、これはこのチベットでは一番旧い家として、そうして貴族中でも最も利者ききものとして世人の尊崇を受けて居るドーリンという名家の令嬢であったです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)